アレルギーは、体の免疫システムが本来無害なものに過剰に反応して起こる症状です。花粉やハウスダスト、ペットの毛などが原因となるものを空気中アレルギーといいます。また、食べ物が原因となるものを食物アレルギーといいます。
空気中アレルギーと食物アレルギーは、症状や対処法が異なります。空気中アレルギーは、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどが主な症状で、マスクや目薬、抗ヒスタミン薬などで緩和することができます。食物アレルギーは、かゆみや発疹、腹痛や下痢、呼吸困難やショックなどの重篤な症状が起こることがあります。食物アレルギーの場合は、原因となる食品を避けることが最も重要です。
では、食物アレルギーの原因となる食品は何でしょうか?一般的には、卵や牛乳、小麦、ピーナッツ、えびやかに、そばなどがよく知られています。これらの食品は日本人の食生活に欠かせないものですが、一部の人にとっては命に関わるものです。食物アレルギーを持つ人は、これらの食品を含む加工食品や外食料理にも注意しなければなりません。
今回は、食物アレルギーの対策に役立つ食品と注意点についてご紹介します。以下の6つの章で詳しく見ていきましょう。
1. 食物アレルギーの診断方法
まずはじめに、自分や家族が食物アレルギーかどうかを確認する方法についてお話します。食物アレルギーは自己判断できるものではありません。特定の食品を食べた後に体調不良を感じたからといって、すぐにアレルギーだと決めつけてしまうと、必要以上に食事制限をしてしまうことになります。また、逆に気づかずに原因食品を摂取してしまうと、重篤な症状を引き起こす可能性もあります。
そこで必要なのが医師による診断です。医師は以下のような方法で食物アレルギーを判断します。
- 問診:過去に何を食べた後にどんな症状が出たかを詳しく聞きます。
- 血液検査:血液中にあるアレルギー反応に関係するIgE抗体の量を測ります。
- 皮膚検査:皮膚に原因食品の抽出液を塗布して、かゆみや発疹が出るかを確認します。
- 食物経口負荷試験:医師の監視下で少量から徐々に原因食品を食べて、症状が出るかを検査します。
これらの検査の結果に基づいて、医師は食物アレルギーの有無や重症度、除去の必要な食品や量などを判断します。自分や家族が食物アレルギーの可能性があると思ったら、早めに医師に相談しましょう。
2. 食物アレルギーの原因食品と代替食品
次に、食物アレルギーの原因となる食品と、それに代わる栄養素を摂取できる代替食品についてご紹介します。日本人に多い食物アレルギーの原因食品は以下の7つです。
- 卵
- 牛乳
- 小麦
- そば
- 落花生(ピーナッツ)
- えび
- かに
これらの食品は、日本人の主要なたんぱく質源となっています。たんぱく質は体の組織や酵素、ホルモンなどを作る重要な栄養素です。成長期の子供や妊娠中・授乳中の女性は特にたんぱく質が必要です。しかし、これらの食品を摂取できない場合はどうすればよいでしょうか?
答えは、他のたんぱく質源を探すことです。たんぱく質は動物性だけでなく植物性にも豊富に含まれています。例えば、以下のような食品が代替食品としておすすめです。
- 卵→肉や魚、大豆製品(豆腐や納豆)、幼児用栄養サポートミルク
- 牛乳→大豆製品(豆乳や豆乳ヨーグルト)、幼児用栄養サポートミルク
- 小麦→米や米粉、コーンフレーク、そうめんやうどん
- そば→米や米粉、コーンフレーク、そうめんやうどん
- 落花生(ピーナッツ)→ナッツ類(アーモンドやくるみ)、大豆製品(豆乳や納豆)
- えび→肉や魚、大豆製品(豆腐や納豆)
- かに→肉や魚、大豆製品(豆腐や納豆)
ただし、これらの代替食品もアレルギー反応を起こす可能性があります。特にナッツ類は木の実アレルギーと呼ばれる別種類のアレルギーがあります。また、大豆製品も卵や牛乳と同じく子供に多いアレルギーです。そのため、これらの
代替食品もアレルギー反応を起こす可能性があります。特にナッツ類は木の実アレルギーと呼ばれる別種類のアレルギーがあります。また、大豆製品も卵や牛乳と同じく子供に多いアレルギーです。そのため、これらの代替食品を初めて食べるときは、医師の指示に従って少量から試してみましょう。また、食品の表示や成分表をよく確認して、原因食品が含まれていないかどうかをチェックしましょう。
3. 食物アレルギーの予防法
食物アレルギーは、遺伝的な要因や環境的な要因によって発症すると考えられています。しかし、完全に予防する方法はまだ見つかっていません。ただし、以下のようなことに気を付けると、食物アレルギーの発症や悪化を防ぐことができるかもしれません。
- 授乳期間の延長:母乳には免疫力を高める成分が含まれています。授乳期間を6ヶ月以上にすると、食物アレルギーの発症率が低くなるという研究結果があります。
- 離乳食の開始時期と進め方:離乳食は5~6ヶ月頃から始めるのが理想です。早すぎると消化器官が未熟でアレルギー反応を起こしやすくなります。遅すぎると免疫システムが過敏になりやすくなります。離乳食は1種類ずつ少量から試して、3日間様子を見てから次の食品に進みましょう。
- 偏った食事の回避:偏った食事は栄養バランスを崩し、免疫力を低下させます。また、同じ食品を頻繁に摂取するとアレルギー反応を起こしやすくなります。できるだけ多様な食品を摂取するように心がけましょう。
- 喫煙や受動喫煙の回避:喫煙や受動喫煙は肺や気道の機能を低下させ、アレルギー反応を悪化させます。特に妊娠中や授乳中の女性はタバコを吸わないようにしましょう。また、周りの人にもタバコを吸わないようにお願いしましょう。
4. 食物アレルギーの対処法
万が一、食物アレルギーの症状が出た場合はどうすればよいでしょうか?以下のような対処法を覚えておきましょう。
- 症状が軽い場合:原因となった食品をすぐに吐き出したり、水で口をすすいだりします。その後、抗ヒスタミン薬やステロイド薬などを服用して症状を緩和します。医師に相談して、必要なら診察を受けます。
- 症状が重い場合:呼吸困難や意識障害などのショック症状が出た場合は、すぐに救急車を呼びます。その際、食物アレルギーであることと、食べたものを伝えます。アドレナリン注射器を持っている場合は、自分で注射します。周りの人にも状況を伝えて、応急処置をしてもらいます。
5. 食物アレルギーの治療法
食物アレルギーの根本的な治療法はまだ確立されていません。現在の治療法は、原因食品の除去や症状の緩和が主です。しかし、近年、以下のような新しい治療法が開発されています。
- 経口免疫療法(OIT):原因食品を少量から徐々に摂取して、体に慣れさせる治療法です。医師の指導のもとで行われます。一定量まで摂取できるようになると、アレルギー反応が出なくなることがあります。
- 生物学的製剤:アレルギー反応に関係する免疫細胞や分子を抑制する薬です。注射や点滴で投与されます。重篤なアレルギー反応を予防する効果が期待されています。
これらの治療法はまだ実験段階であり、安全性や有効性については十分に検証されていません。また、副作用や再発の可能性もあります。そのため、これらの治療法を受ける場合は、医師とよく相談してから決めましょう。
6. 食物アレルギーと上手に付き合うコツ
最後に、食物アレルギーと上手に付き合うコツをご紹介します。食物アレルギーは生活に大きな影響を与えますが、以下のような工夫をすると、楽しく美味しい食事を楽しむことができます。
- レシピやメニューの工夫:原因食品を使わないレシピやメニューを探したり、工夫して作ったりしましょう。インターネットや本で検索すると、たくさんのアイデアが見つかります 。
- 食品表示や成分表の確認:スーパーやコンビニで買う食品は、必ず表示や成分表を確認しましょう。原因食品が含まれている場合は避けましょう。また、外食するときは店員に聞いたり、事前に調べたりしましょう。
- アレルギーカードの活用:自分が何にアレルギーがあるかを書いたカードを持ち歩きましょう。外食するときや旅行するときに便利です。また、周りの人にも伝えておきましょう。そうすれば、万が一のときに助けてもらえます。