チーズは色々な種類がありますが、それぞれに適した保存方法があるのをご存知でしょうか?実は私も最近まで、チーズはラップで包んで冷蔵庫に入れておけば大丈夫だと思っていました。でも、それは間違いだったんです!チーズは発酵食品なので、ラップで包むと呼吸や水分調節が妨げられてしまい、味や風味が劣化してしまうんですよ。せっかくおいしいチーズを買っても、正しく保存しないともったいないですよね。そこで今回は、チーズの種類別に正しい保存方法をご紹介します。これを読めば、チーズのおいしさを最大限に引き出せるようになりますよ!
1. フレッシュタイプのチーズ
フレッシュタイプのチーズとは、熟成させずにミルクの新鮮な風味を楽しむチーズのことです。モッツァレラやマスカルポーネ、リコッタやフロマージュブランなどが代表的です。クセがなくてやわらかい食感が特徴です。
保存方法
フレッシュタイプのチーズは冷蔵庫の冷蔵室で保存します。チルド室で保存すると冷えすぎて食感がボソボソになるおそれがあるので注意してください。
- モッツァレラは断面を下にして、浸かっていた乳清とともに保存容器に入れます1。
- マスカルポーネはオーブンシートで表面を覆い、空気に触れないよう指で押さえ2、ラップで包むか保存袋に入れます。
- リコッタやフロマージュブランはオーブンシートで包んだ後3、密閉容器に入れます。
乳清(水分)が出ていたら、ペーパータオルでこまめに拭き取りましょう。
賞味期限
フレッシュタイプのチーズは鮮度が命です。時間がたつほど風味は落ちるので、できるだけ早く食べましょう。少し味見をしてみて苦みや微炭酸を感じたら発酵が進んでいます。お好みの頃合いで食べきるようにしてください。
2. 白カビタイプのチーズ
白カビタイプのチーズとは、ふわふわの白いカビの外皮に覆われたチーズのことです。カマンベールやブリー、シャウルスなどが代表的です。熟成によって味わいが変化しやすく、若いときはかためでほのかな酸味があり、熟成が進むほどとろけるようなやわらかさになります。
保存方法
白カビタイプのチーズは冷蔵庫の野菜室で保存します。外皮が蒸れないようオーブンシートで包み、あればチーズが入っていた木枠に戻し入れ、さらに密閉容器に入れます。このときパセリやレタスを一緒に入れると乾燥が防げます。1週間に2回くらい、上下を返すと熟成が均一に進みます。
賞味期限
白カビタイプのチーズは熟成しても見た目はあまり変わりませんが、カマンベールによっては苦みが出るので、その場合は食べごろを過ぎたと思ってください。また、カビが黒くなったり、アンモニア臭が強くなったりしたら、食べられなくなっていますので注意してください。
3. 青カビタイプのチーズ
青カビタイプのチーズとは、青カビ菌を用いて作られるチーズのことです。ゴルゴンゾーラやロックフォール、スティルトンなどが代表的です。その見た目から「ブルーチーズ」とも呼ばれ、舌をピリッと刺すような風味と強い塩気、独特の香りが特徴です。
保存方法
青カビタイプのチーズは冷蔵庫のチルド室で保存します。オーブンシートで包んでから密閉容器に入れます。乳清(水分)が出た分だけ、ペーパータオルで拭き取ってください。
賞味期限
青カビタイプのチーズは臭いが強くなり、舌を刺激するようになったら熟成が進んでいると考えてください。熟成が進んだものは、カレーやシチューなどの煮込み料理に使用していただくと良いでしょう。
4. ハードタイプ・セミハードタイプのチーズ
ハードタイプ・セミハードタイプのチーズとは、水分量を減らして製造するチーズのことです。パルミジャーノ レッジャーノやコンテ、エメンタールなどがハードタイプで、熟成期間も6カ月~3年と最長です。ゴーダやチェダー、ラクレットなどがセミハードタイプで、熟成期間は1~8カ月です。加熱すると溶けて糸を引くよう伸びるのが特徴です。ピザやグラタンに使われます。
保存方法
ハードタイプ・セミハードタイプのチーズは冷蔵庫の野菜室で保存します。オーブンシートで包んでからラップで包み、密閉容器に入れます。蒸れ防止のために、3日に一度は空気に触れさせるようにしてください。
賞味期限
ハードタイプ・セミハードタイプのチーズは熟成期間が長いので、保存期間も長めです。ただし、切り口から乾燥やカビが発生する可能性があるので、定期的にチェックしてください。カビが生えたら、カビの部分を切り落として残りを食べることができます。また、乾燥した部分はおろしてチーズ粉として使うことができます。
5. プロセスチーズ
プロセスチーズとは、天然チーズを加工して作られるチーズのことです。ナチュラルチーズやクリームチーズなどが代表的です。水分量が多くてやわらかいので、パンに塗ったりサンドイッチに挟んだりするのに便利です。
保存方法
プロセスチーズは冷蔵庫の冷蔵室で保存します。開封したらラップで包んだり密閉容器に入れたりしてください。また、開封前のものは冷凍保存することもできます。その場合は解凍する前に冷蔵庫に移し、自然解凍させてください。
賞味期限
プロセスチーズは添加物が多く含まれるので、保存期間は長めです。ただし、開封したら早めに食べきるようにしてください。また、色や臭いが変わったり、油分が浮いたりしたら食べられなくなっていますので注意してください。
6. チーズの保存方法まとめ
以上、チーズの種類別に正しい保存方法をご紹介しました。チーズは発酵食品なので、保存方法によって味や風味が変わってきます。せっかくおいしいチーズを買ったのなら、正しく保存して最高の状態で楽しみましょう! 以下は今回ご紹介したチーズの保存方法のまとめです。
チーズの種類 | 保存場所 | 保存方法 | 賞味期限 |
---|---|---|---|
フレッシュタイプ | 冷蔵室 | 乳清と一緒に保存容器に入れる<br>オーブンシートで包む<br>密閉容器に入れる | 早めに食べる |
白カビタイプ | 野菜室 | オーブンシートで包む<br>木枠に戻す<br>密閉容器に入れる<br>パセリやレタスを一緒に入れる<br>上下を返す | 熟成度合いによる |
青カビタイプ | チルド室 | オーブンシートで包む<br>密閉容器に入れる<br>水分を拭き取る | 熟成度合いによる |
ハードタイプ・セミハードタイプ | 野菜室 | オーブンシートで包む<br>ラップで包む<br>密閉容器に入れる<br>空気に触れさせる | 長め |
プロセスチーズ | 冷蔵室 | ラップで包む<br>密閉容器に入れる<br>冷凍保存も可 | 長め |